私たちの想い

想像してみてください。
周りのことはすべてわかっているのに、自分からは何も伝えられない。
おしゃべりもできないし、楽しいこと、辛いことも伝えられない。
文句も言えないし、感謝の言葉も伝えられない。
情報がただ入ってくるだけの一方通行の世界。

難病や重度の障害によって、そんな世界に暮らさざるをえない人がいます。

病気よりも、障害よりも、そのことが何よりも苦しい。
周りの人に意思を伝えられない苦しみは、時に人を絶望に追い込みます。
「死んだ方がまし」という人もいます。

でも、ちょっとした技術と工夫、そして支援する人がいれば、そんな状況を変えることができます。パソコンが、スイッチが、それまで困難だったコミュニケーションを可能にするのです。

指のわずかな動きでスイッチを操作したり、目の動きを追うことで、1文字1文字をゆっくりと紡いでいく。

「あ・り・が・と・う」。

伝えられた喜び、伝わった喜びは、患者さんやそれを支援する人たちに大きな希望を与えます。

私たちは、ICT(情報通信技術)を使って、この喜びを一人でも多くの方に広げていきたい。そして、コミュニケーションがとれずに苦しんでいる人々も、希望を持って生きていくことができる社会にすることを目指しています。